浅草寺

「浅草寺縁起」によれば、推古天皇36年(628)3月18日の早朝、
檜前浜成(ひのくまはまなり)、竹成(たけなり)兄弟が江戸浦(隅田川の下流辺りを昔は宮戸川)で漁労中、
一体の仏像を投網の中に発見!上師中知(はじのなかもと)が拝し、聖観世菩薩(しょうかんぜぼさつ)の尊像であることを知って、
自ら出家し屋敷を寺に改めて深く帰依したのが浅草寺の始まり。

●駒形堂
浅草寺発祥の地。 浅草寺のご本尊が隅田川から示現され、上陸された地に建てられたお堂。
●雷門
浅草寺総門。 正しくは、「風雷神門」。942年に武蔵守 平公雅(たいらのきんまさ)によって創建され、当初は駒形付近にあったが、鎌倉期以後、今の場所に移された。
●宝蔵門
浅草寺山門。 仲見世を過ぎて観音堂に近づくと大きな門がある。942年に安房守 平公雅(たいらのきんまさ)が武蔵守に補任され、祈願成就の御礼として建立したのが初。何度か火災で炎上したりしたが、そのつど再建された。 桜門の左右に仁王像を奉安するので、「仁王門」と呼ばれたが、現在は重要文化財の「元版一切経」をはじめ、寺宝を収蔵しているので「宝蔵門」と称している。 「小舟町」の提灯と「魚河岸講」の鋳物の吊灯籠一対が奉納されている。徳川家康の恩顧に報いるため魚市場の人たちが奉納した伝統がある。大わらじもここで会える。
●観音堂
浅草寺本堂。 「あさくさかんのん」で知られる浅草寺の観音堂は、東京大空襲で焼失したが、昭和33年に再建された。南に面して建ち、内部は外陣と内陣に分かれ、大扉が開いている昼の間は誰でも自由に参拝できる。
「浅草神社」
浅草の総鎮守。「三社さま」 「三社」の呼称は、浅草神社の旧名「三社権現社」に由来する。現在の社殿は、江戸幕府第三代将軍家光の寄進で、観音堂と同時に建てられた。本殿・幣殿・拝殿を渡り廊下でつなぐ「権現造り」であり、重要文化財に指定されている。三社祭は一之宮、二之宮、三之宮の神輿の渡御で浅草中がわきます。
●二天門
浅草寺東門。 観音堂の東側、浅草神社の鳥居に向って右手に建っている。浅草「東照宮」の「随身門」であり、門の脇には豊岩間戸命(とよいわまどのみこと)・櫛岩間戸命(くしいわまどのみこと)の二神像が安置され、俗に「矢大神門」ともいわれていた。1642年東照宮は焼失、門だけが残った。明治の神仏分離の際、鎌倉鶴岡八幡宮の「経蔵」にあった「四天王」のうち「二天」を奉安したので「二天門」と改称した。
●二尊仏
浅草寺への奉納仏。 観音・勢至菩薩の金銅坐像は、一般に「濡れ仏」で知られる。江戸初期を代表するすぐれた仏像。
●五重塔
仏舎利奉安/霊牌・五輪塔安置の塔。 屋根瓦に土瓦風のアルミ合金瓦を使用。社寺建造物では我が国で初めて。地上53m。942年に平 公雅によって創建されたといわれる。
●影向堂(ようごうどう)
十二支生まれ年守り本尊のお堂。 平成6年に浅草寺中興開山慈覚大師ご生誕千二百年を記念して建立された。内陣・外陣と分かれ、内陣の須弥壇中央に聖観世音菩薩像、その左右に十二支生まれの年の守り本尊八体の像が祀られている。
●薬師堂
今に残る境内の末社。「橋本薬師堂」と呼ばれる。三代将軍家光によって再建された「方三間」のお堂で浅草寺に存在する古建築の1つ。
●淡島堂
写経供養塔/平和塔が建つ。針供養のお堂。旧影向堂を改修し、平成7年に移築した。
●銭塚地蔵
商売繁昌祈願のお堂。「寛永通宝」が埋められている。
●伝法院
浅草寺本坊・修行道場。玄関・客殿・使者の間・大台所は1777年の建築。明治4年(1871)に建てられた大書院、住職の居間などの建物の総称。昔は、「観音院」「智楽院」といわれたが、中興第四世宣在僧正の坊号をとって1690年に「伝法院」となった。表参道の左に江戸時代初期を思わせる庭園がある。
●鎮護堂(ちんごどう)
伝法院の鎮守。通称「お狸さま」。住職の夢で枕に立って、自分たちを守ってくれれば火災から守りましょう、ということから、祀った。
●弁天山
浅草寺弁天堂。ご本尊が白髪のため、通称「老女弁天」と呼ばれている。小高い丘の上にお堂があり、「鐘楼」がある。松尾芭蕉が「花の雲 鐘は上野か浅草か」と詠んだのはこの鐘のこと。大晦日に「百八会」の会員により除夜の鐘が打たれる。
●仲見世
浅草寺表参道。雷門から宝蔵門までの両側ににぎやかな商店街。通称「仲見世」。
●待乳山聖天(まつちやましょうてん)
浅草寺の支院。待乳山は隅田川の西岸の丘。葛飾北斎・安藤広重をはじめ多くの絵師の格好の画材となった「聖天さん」。浅草寺の支院の1つ。
●遍照院(へんじょういいん)/大観音寺(だいかんのんじ)
 浅草寺の支院。遍照寺は浅草6丁目にある。葛飾北斎が住んでいたことがあるといわれる。大観音のご本尊は鉄仏の聖観音像のお首を祀る。鎌倉時代に北条政子が京都の清水観音に帰依し、鎌倉に「新清水寺」を建立した時のご本尊。