2020新春浅草歌舞伎

年初めといえば…新春浅草歌舞伎!
新春に浅草公会堂が賑わいます!

浅草公会堂にて

2020年1月2日(木)初日~26日(日)千穐楽
第1部 午前11時開演  第2部 午後3時開演
※19日(日)第2部は「着物で歌舞伎」

2020新春浅草歌舞伎

■ 公演スケジュール ■

新春浅草歌舞伎(表)

★:1月19日(日)第2部は、「着物で歌舞伎」です。皆様、お着物でご観劇下さい。


■ 演目と配役 ■

演目と配役
演目と配役

■ 演目紹介 ■

第1部(午前11時開演)
お年玉(年始ご挨拶)
一、花の蘭平
(はなのらんぺい)

 歌舞伎で上演される『蘭平物狂』が題材となっており、これは『倭仮名在原系図(やまとがなありわらけいず)』という全五段からなる浄瑠璃の四段目にあたり、在原行平に仕える奴蘭平が、刃物を見ると狂気の奇病を起こすという筋で、この物狂いのくだりを舞踊にしたものです。
 弘化二年(1845)中村座で、四代目中村歌右衛門が「狂乱雀百迄」の題で上演して好評を呼び、後に四代目中村芝翫が「月雪花」の中で踊ったのが今回の『花の蘭平』です。烏帽子を馬に見立てたり、桜の枝を手にした蘭平が奴達と踊る、お正月の幕開きにふさわしい華々しい舞踊です。

二、菅原伝授手習鑑
(すがわらでんじゅてならいかがみ)
寺子屋

 寺子屋を営む武部源蔵と戸浪夫婦は、菅丞相の子・菅秀才を我が子と偽り秘かに匿っています。
しかし、そのことが発覚するのを恐れ、苦悩の末に、今日寺入りしたばかりの寺子小太郎の首を身替りにして差し出すことを決意します。首の検分役に現れた松王丸は、菅秀才の首に間違いないと判断し、一度立ち去りますが・・・。
 忠義を尽くす松王丸の「首実検」の場面は、最大の見せ場で緊迫した空気の中、複雑な心情を描き出します。味わい深い義太夫狂言の代表作をご堪能ください。

岡村柿紅 作
三、茶壺
(ちゃつぼ)

 能狂言を題材にした「松羽目物」と呼ばれる舞踊で、踊りの名手として知られた七世坂東三津五郎にあてて書かれ、三津五郎自身が振付をし、熊鷹太郎を演じました。
 田舎者の麻胡六が酒に酔い、茶壺を背負ったまま眠っているところへ、すっぱ(盗賊)の熊鷹太郎が茶壺を奪おうとして争いになります。お互いが自分のものと言い張る為、目代(代官)が詮議をすることに。麻胡六の言行を熊鷹太郎が真似るのですが、熊鷹の一間遅れる微妙な間の取り方が笑いを誘い、二人の連れ舞がみどころです。
 ユーモアに溢れた舞踊をお楽しみください。

第2部(午後3時開演)
お年玉(年始ご挨拶)
一、絵本太功記
(えほんたいこうき)
尼ヶ崎閑居の場

 武智光秀は主君尾田春長(織田信長)を本能寺で討ち果たしますが、光秀の母皐月は息子の謀反に怒り、尼ヶ崎の庵室に籠ってしまいます。そこへ光秀の妻操が息子十次郎とその許嫁初菊を伴ってやって来ます。討死を覚悟し出陣の許しを乞う十次郎を、皐月は別れを惜しみながらも初菊と祝言を挙げさせ送り出します。そこへ現れたのは一人の旅僧。昨晩からこの庵室に身を寄せていましたが、この僧こそ、春永の腹心真柴久吉でした。夜も更けたころ、竹藪から姿を現した光秀は、久吉を討ち取ろうと障子越しに竹槍を繰り出しますが、そこにいたのはなんと・・・。
 明智光秀の謀反を題材にした義太夫狂言で、立役、女方と歌舞伎の様々な役柄が揃う、随所に見せ場の多い一幕です。重厚感あふれる舞台をご堪能ください。

二、仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)
祇園一力茶屋の場

 塩冶判官が殿中で刃傷に及び切腹してから半年。祇園の一力茶屋で遊興三昧の大星由良之助のもとへ、仇討に加わりたいと寺岡平右衛門が訪れますが、相手にされません。時刻が過ぎ、由良之助へ顔世御前からの密書を届けに由良之助の息子、大星力弥がやって来ます。由良之助が読むその書状を、以前は塩冶家の腰元で、今では遊女となったお軽は二階から覗き見ます。一方、師直に内通する斧九太夫も床下に隠れ盗み読もうとします。それに気付いた由良之助は、突然お軽を身請けすると言い、身代金を支払いに座を外しますが、お軽の兄の平右衛門はその身請けは偽りで、由良之助の真の狙いはお軽を口封じのために始末することだと悟ります。そして平右衛門はある決意をするのですが・・・。
 全十一段からなる『仮名手本忠臣蔵』のうち、この七段目の京都祇園の茶屋の場面にて由良之助の真意や平右衛門と妹お軽の胸の内が明らかとなります。人間模様を鮮やかに描いた不動の名作の一幕をご覧いただきます。

また、毎年恒例となっております、お年玉〈年始ご挨拶〉にもご期待いただき、新年で賑わう浅草の街で、次代を担う若手の公演をお見逃しなきよう、皆さま是非劇場へお越しください!


■ 出演者 ■

尾上松也  (おのえ まつや) 【二代目 屋号:音羽屋】
昭和60年1月30日生まれ。六世尾上松助の長男。平成2年に二代目尾上松也を名乗り初舞台。新春浅草歌舞伎には平成27年から6年連続通算8回目の出演で、30年『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』にて徳川綱豊卿、31年『源平布引滝 義賢最期』にて木曽先生義賢と大役に挑み続けている。平成31年3月博多座『湧昇水鯉滝』では俵藤太秀郷、絵師又平、釣家家老篠村次郎公光の三役を勤め、令和元年5月歌舞伎座『曽我綉侠御所染』で御所五郎蔵、6月歌舞伎座では『寿式三番叟』の三番叟と『三谷かぶき月光露針路日本』の教授風の男、9月巡業では『封印切』の丹波屋八右衛門、10月歌舞伎座『三人吉三巴白浪』でお嬢吉三と幅広い役柄で活躍している。
中村歌昇  (なかむら かしょう) 【四代目 屋号:播磨屋】
平成元年5月6日生まれ。中村又五郎の長男。平成6年に四代目中村種太郎を名乗り初舞台の後、平成23年9月演舞場『舌出三番叟』他で四代目中村歌昇を襲名。新春浅草歌舞伎には一昨年から3年連続、通算6回目の出演である。30年『双蝶々曲輪日記引窓』では南与兵衛後に南方十次兵衛、31年『戻駕色相肩』では浪花の次郎作実は石川五右衛門、『寿曽我対面』では曽我十郎祐成を演じた。令和元年5月歌舞伎座『寿曽我対面』の小林朝比奈、6月歌舞伎座『梶原平三誉石切』の俣野五郎景久を勤め、9月歌舞伎座秀山祭『伊賀越道中双六 沼津』では長男小川綜真との初共演を果たした。
坂東巳之助 (ばんどう みのすけ) 【二代目 屋号:大和屋】
平成元年9月16日生まれ。十世坂東三津五郎の長男。平成3年に初お目見得の後、平成7年に二代目巳之助を襲名して初舞台。新春浅草歌舞伎には7年連続通算9回目の出演。31年『芋掘長者』では芋掘藤五郎、『寿曽我対面』では小林朝比奈を演じた。27年に初演されたスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』にロロノア・ゾロ、ボン・クレー、スクアードの三役で出演し、再演にも連続出演。30年8月演舞場、令和元年6月南座にて上演した新作歌舞伎『NARUTO』ではうずまきナルトを熱演し、新境地を開いた。
30年11月歌舞伎座顔見世『素襖落』の次郎冠者など舞踊に定評がある。
坂東新悟 (ばんどう しんご) 【初代 屋号:大和屋】
平成2年12月5日生まれ。坂東彌十郎の長男。平成7年に初代新悟を名乗り初舞台。新春浅草歌舞伎には一昨年から3年連続、通算7回目の出演。平成31年『源平布引滝義賢最期』で九郎助娘小万、『寿曽我対面』で立女方の貫禄が必要な大磯の虎をどちらも初役で好演した。2月歌舞伎座『すし屋』では若葉の内侍、4月御園座『南総里見八犬伝』では蟇六娘浜路と角太郎許嫁雛衣、令和元年6月歌舞伎座『三谷かぶき 月光露針路日本』ではマリアンナ、7月国立劇場『菅原伝授手習鑑』では舎人桜丸、10月演舞場スーパー歌舞伎Ⅱ『新版オグリ』では照手姫と、意欲的に芸域を広げている。
中村米吉 (なかむら よねきち) 【五代目/屋号:播磨屋 】
平成5年3月8日生まれ。中村歌六の長男。平成12年に五代目米吉を襲名して初舞台。新春浅草歌舞伎は2年ぶり7回目の出演。平成30年浅草歌舞伎では『元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿』で中臈お喜世、『双蝶々曲輪日記 引窓』で女房お早を勤めた。平成27、28年にはラスベガス公演など海外公演にも精力的に参加。31年2月歌舞伎座『當年祝春駒』にて大磯の虎、3月歌舞伎座『傾城反魂香』にて銀杏の前、4月歌舞伎座『実盛物語』にて御台葵御前、5月歌舞伎座『寿曽我対面』にて化粧坂少将、9月歌舞伎座秀山祭『沼津』にて茶屋娘おくるなどを多彩に演じた。
中村隼人 (なかむら はやと) 【初代 屋号:萬屋】
平成5年11月30日生まれ。中村錦之助の長男。平成14年に初代隼人を名乗り初舞台。新春浅草歌舞伎には9年連続9回目の出演をしており、30年『義経千本桜 鳥居前』で佐藤忠信実は源九郎狐、31年『番町皿屋敷』で青山播磨、『源平布引滝 義賢最期』で下部折平実は多田蔵人行綱を演じた。新作歌舞伎、スーパー歌舞伎Ⅱにも意欲的に参加しており、30年8月演舞場、令和元年6月南座にて上演した新作歌舞伎『NARUTO』で主役のうちはサスケを熱演、元年10・11月演舞場スーパー歌舞伎Ⅱ『新版オグリ』では猿之助とダブル主演で藤原正清後に小栗判官と遊行上人を勤めた。
中村橋之助 (なかむら はしのすけ) 【四代目 屋号:成駒屋】
平成7年12月26日生まれ。中村芝翫の長男。平成12年に中村国生の名で初舞台。平成28年10・11月歌舞伎座『熊谷陣屋』他で四代目中村橋之助を襲名。新春浅草歌舞伎には2年連続、通算3回目の出演。31年は『芋掘長者』の友達治六郎、『番町皿屋敷』の放駒四郎兵衛などを演じた。4月御園座『南総里見八犬伝』の下男額蔵実は犬川荘助義任、令和元年6月博多座『金閣寺』の十河軍平実は佐藤虎之助正清、『土蜘』碓井靱負之丞貞光、7月大阪松竹座『上州土産百両首』みぐるみの三次、10月国立劇場『天竺徳兵衛韓噺』佐々木桂之介などの幅広い役を熱演。
中村梅花 (なかむら ばいか) 【四代目 屋号:京扇屋】
昭和25年9月25日生まれ。49年国立劇場第二期歌舞伎俳優研修終了。4月国立劇場『妹背山婦女庭訓』の腰元ほかで山崎隆の名で初舞台。50年七代目中村芝翫に入門し、中村芝喜松を名のる。平成28年10月歌舞伎座『女暫』の局唐糸ほかで四代目中村梅花を襲名し幹部昇進。30年4月金丸座『魚屋宗五郎』菊茶屋女房おみつ、6月巡業『人情噺文七元結』左官長兵衛の女房お兼、31年4月御園座『南総里見八犬伝』の一角妻伏屋、令和元年7月歌舞伎座『高時』の安達三郎母渚、10月国立『天竺徳兵衛韓噺』侍女袖垣などを演じ、成駒屋一門を支える。
中村吉之丞 (なかむら きちのじょう) 【三代目 屋号:播磨屋】
昭和42年3月31日生まれ。53年7月歌舞伎座で森島啓介の名で初舞台。56年4月中村吉右衛門の部屋子となり、歌舞伎座『元禄忠臣蔵』の吉千代ほかで中村吉男を名のる。平成7年9月二代目中村吉之丞の芸養子となる。28年9月歌舞伎座『一條大蔵譚』の八剣勘解由ほかで三代目中村吉之丞を襲名し幹部昇進。31年2月歌舞伎座『熊谷陣屋』では梶原平次景高、3月南座『太刀盗人』では目代丁字左衛門、6月歌舞伎座『梶原平三誉石切』では囚人剣菱呑助、9月歌舞伎座秀山祭『極付幡随長兵衛』では舞台番新吉など、敵役から愛嬌のある役まで幅広く演じる。
大谷桂三 (おおたに けいぞう) 【初代 屋号:十字屋】
昭和25年6月11日生まれ。新派の春本泰男の三男。昭和31年新橋演舞場にて初舞台。二世尾上松緑の部屋子となり、34年尾上松也を名乗る。39年6月十四世森田勘弥の芸養子となり、四代目坂東志うかを襲名。48年10月御園座『女暫』の紅梅姫で大谷桂三と改名。新春浅草歌舞伎には2年連続通算4回目の出演で、31年は『源平布引滝 義賢最期』に百姓九郎助、『番町皿屋敷』に用人柴田十太夫に出演。3月博多座『湧昇水鯉滝』にて鯉王、4月金丸座『高坏』にて大名某など、様々な役を演じても品を失わない貴重な存在。
中村錦之助 (なかむら きんのすけ) 【二代目 屋号:萬屋】
昭和34年9月29日生まれ。四世中村時蔵の次男。昭和39年に信二郎を名乗り初舞台の後、平成19年に二代目錦之助を襲名。新春浅草歌舞伎には5年連続通算6回目の出演。毎年、花形俳優たちを支えながら、芝居の中では揺るぎない大きさと深さを垣間見せ、31年浅草歌舞伎の『番町皿屋敷』では久々の女方で後室真弓も勤め、芸域の広さを示した。2月歌舞伎座『當年祝春駒』では曽我十郎祐成、3月歌舞伎座『盛綱陣屋』では信楽太郎、7月歌舞伎座『西郷と豚姫』では西郷吉之助、9月歌舞伎座『勧進帳』では富樫左衛門、10月御園座『狐と笛吹き』の親友秀人などを演じ、多彩な役柄で存在感を放っている。

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