Part1:みどころ&おすすめ |
初春花形歌舞伎のみどころ&おすすめ |
Part2:今までの初春歌舞伎の歴史とそれを彩った役者たち |
今までの初春花形歌舞伎のおいたち、エピソードを紹介 |
Part3:歌舞伎入門 |
Part4:今回の初春花形歌舞伎の演目 |
演目の歴史・見所・音楽他 |
Part5:公演鑑賞レポート |
Part6:番外編(当選者レポート他) |
Part2 今までの初春歌舞伎の歴史とそれを彩った役者たち
天保末年から明治初年までのおよそ30年間。 江戸三座の歌舞伎は浅草猿若町で華やかな舞台を繰り広げていました。 まさに大江戸の華。 その浅草から歌舞伎の灯が消えてより、久しい時を経て地元や歌舞伎ファンの方々からの復活を望む声をいただき、ROX前にあったときわ座での公演以来22年ぶりに浅草歌舞伎が「初春花形歌舞伎」として復活しました。 浅草歌舞伎は、大劇場の豪華さとは一味違った親しみやすさがあります。 お正月ということもあって、浅草寺の観音さまに初詣をして、浅草歌舞伎を見物。 まさに、江戸に春を告げる催しです。 当代きっての花形役者達が競演し、熱気に溢れる歌舞伎を浅草で見ることができる嬉しさは観客にとっては格別のものです。 浅草歌舞伎が若手の修業の場、また貴重な初役披露の場であったりもします。 21世紀の幕開けを飾る浅草花形歌舞伎は絶対見逃せません!乞うご期待!! |
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第1回から第18回までの公演内容を追ってみましょう! | |
第一回公演[昭和55年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、鳴神(なるかみ) 鳴神上人:吉右衛門/白雲坊:寿美蔵(七世)/黒雲坊:八百蔵(九世)/雲の絶間姫:勘九郎
ニ、
三、雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち) |
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「雪暮夜入谷畦道」には、かつての浅草の風情がしみじみと感じられた。 廻り舞台がなく、蕎麦屋ごと装置を引き込んだりと道具替わりが大変でした。(中村吉右衛門談)
楽屋から奈落を通って花道へ上がるまで、べらぼうな山道をこえなければならず大変。 |
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第ニ回公演[昭和56年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、廓文章(くるわぶんしょう) 藤屋伊左衛門:宗十郎/吉田屋喜左衛門:市蔵(五世)/吉田屋女房おきさ:福之助(三世)/扇屋夕霧:梅枝
ニ、連獅子(れんじし)
三、天衣紛上野初花(くもにまごううえのはつはな)
四、助六由縁花川戸(すけろくゆかりのはなかわど) |
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地元浅草で助六が観れる嬉しさがありました。 | |
第三回公演[昭和57年]一月二日初日 二十六日千穐楽 | |
一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 浮世又平後に土佐又平光起:段四郎/土佐将監光信:市蔵(五世)/狩野雅楽之助:右近/土佐修理之助:小米/又平女房おとく:門之助(七世)
ニ、網模様燈籠菊桐(あみもようとうろのきくきり)
三、お祭り(おまつり) |
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歌舞伎座とのかけもちで、地下鉄で浅草まで通い、人混みの中を抜けて劇場入りすると芝居に入りやすかった。(市川段四郎談) | |
第四回演[昭和58年]一月二日初日 二十六日千穐楽 | |
一、実盛物語(さねもりものがたり) 斉藤別当実盛:孝夫/瀬尾十郎兼氏:左?次/百姓九郎助:小伝次(二世)/百姓女房小よし:福之助(三世)/矢橋仁惣太:由次郎/御台所葵御前:友右衛門/娘小万:田之助
ニ、初春廓鞘當(はるのはじめくるわのさやあて)
三、春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし) |
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第五回演[昭和59年]一月二日初日 二十六日千穐楽 | |
一、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ) お嬢吉三:藤十郎/お坊吉三:八十助/和尚吉三:左?次
ニ、身替座禅(みがわりざぜん)
三、松浦の太鼓(まつうらのたいこ) |
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第六回演[昭和60年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、舌出し三番叟(しただしさんばそう) 三番叟:蓑助/千歳:八十助
ニ、梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)
三、弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ) |
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「梶原平三誉石切」で花道から出ていく時、他人に向かって「ハイ」と返事したのを揚幕さんが勘違いしてチャリンと揚幕をあけてしまった。(中村芝雀談) | |
第七回演[昭和62年]一月二日初日 二十六日千穐楽 | |
一、高時(たかとき) 北条高時:専十郎/愛妾衣笠:芝雀/秋田入道:菊蔵/大仏貞直:彦三郎
ニ、茶壷(ちゃつぼ)
三、め組の喧嘩(めぐみのけんか) |
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子供の頃にやった「め組の喧嘩」で息子の又八をやったものを当代の菊五郎と初役でつとめることができ嬉しかった。(澤田田之助談) 「め組の喧嘩」の辰五郎は、浅草で初役。舞台の間口が歌舞伎などより狭い分、鳶と相撲取りの勢揃いの場面で迫力が出た。(尾上菊五郎談) |
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第八回演[平成元年]一月二日初日 二十六日千穐楽 | |
一、一條大蔵物譚(いちじょうおおくらものがたり) 一條大蔵卿長成:勘九郎/吉岡鬼次郎幸胤:歌昇/女房お京:浩太郎/茶亭与一:子?次(二世)/八剣勘解由:勘五郎(十三世)/女房鳴瀬:秀調/常盤御前:児太郎
ニ、越後獅子(えちごじし)
三社祭(さんじゃまつり)
三、芝浜革財布(しばはまのかわざいふ) |
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「芝浜革財布」の千穐楽、自分の定位置で暗転が明けるのを待っていたら舞台にしらない人が一升瓶持っていた。でているはずのない勘九郎さん。人のせりふに割ってしゃべるし、酒は本物だし、大変でした。(中村扇雀談) | |
第九回演[平成ニ年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、鳴神(なるかみ) 鳴神上人:八十助/白雲坊:十蔵/黒雲坊:亀蔵/雲の絶間姫:児太郎
ニ、高杯(たかつき)
三、御所五郎蔵(ごしょのごろうぞう) |
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第十回演[平成三年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、車引(くるまびき) 舎人梅王丸:橋之助/舎人桜丸:児太郎/舎人杉王丸:男寅/藤原時平:秀調/舎人松王丸:左専次
ニ、壷坂霊験記(つぼさかれいげんき)
三、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなおよこぐし)
四、棒しばり(ぼうしばり) |
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第十一回演[平成四年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、菊畑(きくばたけ) 奴智恵内実は御厩鬼三太:橋之助/奴虎蔵実は源牛若丸:染五郎/笠原湛海:男寅/皆鶴姫:孝太郎/吉岡鬼一法眼:左専次
ニ、英執着獅子(はなぶさしゅうちゃくじし)
三、雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)
四、雨の五郎
お祭り |
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第十ニ回演[平成五年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、草摺引(くさずりびき) 曽我五郎時致:歌昇/小林妹舞鶴:孝太郎
ニ、嫗山姥(こもちやまんば)
三、勧進帳(かんじんちょう)
四、其小唄夢廓(そのこうたゆめよしわら) |
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「勧進帳」で義経を初役でつとめている時に20歳を迎え「勧進帳」というお酒で祝ってもらった。(市川染五郎談) | |
第十三回演[平成六年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、矢の根(やのね) 曽我五郎時致:橋之助/曽我十郎祐成:染五郎/馬子畑右衛門:亀蔵/大薩摩文太夫:秀調
ニ、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
三、
中
下
三人形(さんにんぎょう) |
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第十四回演[平成七年]一月二日初日 二十六日千穐楽 | |
義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
序幕
ニ幕目
三幕目・大詰 |
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風邪を引いて高熱を出し、次は声がかすれ完全につぶれ大変でした。(市川右近談) | |
第十五回演[平成八年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、外郎売(ういろううり) ういろう売実は曽我五郎時致:辰之助/小林朝比奈:新之助/妹舞鶴:愛之助/大磯の虎:吉弥/化粧坂少将:亀三郎/遊君喜瀬川:亀寿/遊君亀菊:獅童/茶道珍斎:亀蔵/工藤左衛門祐経:彦三郎
ニ、近江のお兼(おうみのおかね)
三、御所五郎蔵(ごしょごろぞう)
四、男女道成寺(めおとどうじょうじ) |
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第十六回演[平成九年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、野崎村(のざきむら) 久作娘お光:孝太郎/油屋後家お常:秀調/百姓久作:三津五郎
ニ、
屋敷娘(やしきむすめ)
三、黒手組曲輪達引(くろてぐみくるわのたてひき) |
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第十七回演[平成十年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、舌出し三番叟 三番叟:三津五郎/千歳:芝雀
ニ、天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)
三、道行旅路の花聟(みちゆきたびじのはなむこ)
勧進帳(かんじんちょう) |
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第十八回演[平成十一年]一月二日初日 二十七日千穐楽 | |
一、鶴亀(つるかめ) 皇帝:彦三郎/鶴:玉三郎・亀三郎/亀:亀三郎・玉三郎/従者:亀寿
ニ、寺子屋(てらごや)
三、京鹿子娘道明寺(きょうかのこむすめどうみょうじ)
鳴神(なるかみ) 四、勧進帳(かんじんちょう) 武蔵坊弁慶:新之助/源義経:菊之助/亀井六郎:亀蔵/片岡八郎:梅也/駿河次郎:菊丸/常陸坊海尊:松太郎/富樫左衛門:辰之助 |
松竹「初春花形歌舞伎」第十八回プログラムより
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